「……許せるよ。いつか、きっと」
頭上から伝わる彗の優しい声が、涙を誘った。
貪欲で卑劣な人間がいなくなることはない。これからもきっと、そんな人たちに出会ってしまうと思う。
だけど泣いてばかりいられない。
傷付いてばかりいられないから。
前を向いて、自分が信じる道を。
1歩ずつでいいから、進んでいきたい。
きっとそれが、あたしの強さになる。
「……お腹空いた」
「あははっ」
ぽつりと呟いた彗の胸で、声を出して笑った。離れると、彗は優しさを感じる笑顔を浮かべ、口を開く。
「……夕焼け、綺麗だね」
「うん、綺麗」
この世界を、見られてよかった。
……生きていこう。
共に歩んでくれる人がいる限り。
それが何よりも、幸福なことだと分かったから。
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