僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……許せるよ。いつか、きっと」


頭上から伝わる彗の優しい声が、涙を誘った。


貪欲で卑劣な人間がいなくなることはない。これからもきっと、そんな人たちに出会ってしまうと思う。


だけど泣いてばかりいられない。

傷付いてばかりいられないから。


前を向いて、自分が信じる道を。


1歩ずつでいいから、進んでいきたい。


きっとそれが、あたしの強さになる。



「……お腹空いた」

「あははっ」


ぽつりと呟いた彗の胸で、声を出して笑った。離れると、彗は優しさを感じる笑顔を浮かべ、口を開く。


「……夕焼け、綺麗だね」

「うん、綺麗」


この世界を、見られてよかった。



……生きていこう。


共に歩んでくれる人がいる限り。


それが何よりも、幸福なことだと分かったから。



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