僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



――大雅先輩。


あたし、大雅先輩とデートしたこと一生忘れない。


あの日の大雅先輩の笑顔は、やっぱりどうしても嘘だったとは思えないから。



憧れてた。


まだ、あまり互いを知らない男女がふたりきりで並んで歩く。


近すぎず、遠すぎず。微妙な距離を保ちながら、少し、ぎこちなく話す。


会話が途切れないように一生懸命頭を働かせて、時には出だしがかぶったり。


そんなことが何回かあるうちに打ち解けてきて、笑顔で話すの。


そんな、子供みたいなことに憧れていた。いつかそんな日が来ればいいなと望んでいた。


それを誰よりも先に叶えてくれたのは、紛れもなく大雅先輩だったから。



かわいいいって言ってくれて嬉しかった。優しくしてくれて嬉しかった。


それが全部嘘だったと、あたしには言えない。言いたくもない。