「俺のセカイはあそこだけだ」
だから胸がざわつく。
真っ青な空が、俺には似合わなくて。
「アンタさ、ぬるいんだよ。言ったろ、俺を敵に回した時点でアンタの負けだって」
「……祠稀くんのことは、それなりに調べたつもりだったけどね」
「だからぬるいって言ってんだ。アンタは合ってない。俺を調べたなら、真っ先に分かることを、アンタは調べられなかった」
疑問符を浮かべる大雅に、俺はなぜ言ってしまったのか。
教えるつもりはなかったのに、口がすべったのかもしれない。自分でも確認したかったのかもしれない。
驚き言葉を失った大雅に、屋上を立ち去る前に笑いかけた。
笑ったのに、笑ったはずなのに、なんで大雅は傷ついたような顔をしたのか、分からない。
「君が、“闇夜の威光”……?」
その声が足取りを重くし、俺は振り向くことなく屋上を後にした。
ガチャンとドアの閉まる音が、心の奥底に潜む何かまで。
固く堅く、閉ざした気がした。
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