僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「何が彼女を、あそこまで純粋にするんだろうね」

「……さぁ」


知らねぇよ。純粋なのかどうかも、俺はよく知らねぇ。


凪が少しのためらいもなく他人を信じることに、俺はなんの言葉も出ないし。


ただ事実としてあるのは、救われたやつがいる。それだけだ。



「一家にひとり、凪ちゃんがいたら世の中平和になんのかな」

「ぶはっ!」


それはねえし、勘弁だわ。


思わず吹き出した俺に、大雅は見たことないくらい穏やかに微笑んだ。


「羨ましいよ、祠稀くんたちが」

「はあ? アンタにはいるべや。あのバカっぽい、オレンジ頭が」

「遊志のこと? ……凪ちゃんにも言われたよ」


ああ、言いそう。


凪の迷いのない言葉は少なからず胸に届く。

拒絶しても、意識していなくても、入り込んでくる。


そうして俺が垣間見てしまうのは、直視したくない自分の粗だ。