僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



……別に甘えてるわけじゃないんだ。


今までずっと、有須は不安定だったと思うから。俺はそう感じていたから。


消え入りそうな有須を、脆く儚げな有須を、留めておきたくて。


目に入る、手で触れられるほど、近くにいてほしくて。


「……起きたら、いる?」


俺の質問に、有須は目をしばたたく。


これじゃあ本当に甘えん坊だと思われる。だけど、聞いてみたかった。


「うん。いるよ」


笑った顔が見たかった。


きゅっ、と。有須の手を握り締めてから目を瞑った。


「……おやすみ、彗」

「……ん」


真っ暗な世界に優しく響く声は、何よりも安心する。


繋がれた手から感じる体温も、鼓動も、体を温かくする。


安心、よりも、愛しい。


この気持ちは何か、違う。


この気持ちは、なんだろう。



考えているうちに俺は眠りに落ちた。



心地よく、とても穏やかに。



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