「ここでいい」
「えぇ!? ……待って待って! 布団っ、ブランケットだけでも……っ」
ソファーの背もたれに無造作にかかっていたブランケットを、俺にかけてくれる有須。
その手を、掴んだ。
「……す、彗?」
小さくてあったかい、有須の手。
自分の部屋じゃなくて、ここでいい。ここが、いい。
有須のそばにいたいから。
なんて、違うな。
「……眠るまで」
このままでいて。
そばにいたいより、いてほしい。
「……眠るまで?」
「うん」
俺が眠るまで、この手を離さないで。
「……彗って甘えん坊」
「……祠稀にも凪にも、言われた」
むつけると、有須は声を出さずに笑った。
少しだけ、頬を染めて。



