僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……有須と彗、風邪引いて休んでんの」


横を向いてた大雅の表情が一瞬変わったのを、見逃すわけがない。


「え……ホンマに? アカンやん大雅! むっちゃ大雅のせいやん!」

「遊志うるさい声デカい耳触り」

「ヒドー! アカン……ショック受けた、慰めて大雅。心とついでに体も」

「キモいから近寄らないでくれる?」

「でぇぇ!? 受け入れ拒否ですか!? たらい回しにしちゃイヤーッ!」

「ウザいって言ってるだろっ!」


騒ぐふたりを見て思わず口元がゆるんでしまった。


遊志が、尻尾を振って喜んでる犬にしか見えないよ。


「……何笑ってんの、凪ちゃん」


キスとハグを求めてくる遊志の顔面を掴んでる大雅も、相当ウケるからね?


「見舞いにくれば?」

「祠稀っ」


あたしが言おうとした言葉を先に告げたのは、今戻ってきたのか、紙パックのココアを飲む祠稀だった。


祠稀は「ん」とあたしの分も買ってきてくれて、もの凄く偉そうに大雅と遊志に話し掛ける。