「……有須と彗、風邪引いて休んでんの」
横を向いてた大雅の表情が一瞬変わったのを、見逃すわけがない。
「え……ホンマに? アカンやん大雅! むっちゃ大雅のせいやん!」
「遊志うるさい声デカい耳触り」
「ヒドー! アカン……ショック受けた、慰めて大雅。心とついでに体も」
「キモいから近寄らないでくれる?」
「でぇぇ!? 受け入れ拒否ですか!? たらい回しにしちゃイヤーッ!」
「ウザいって言ってるだろっ!」
騒ぐふたりを見て思わず口元がゆるんでしまった。
遊志が、尻尾を振って喜んでる犬にしか見えないよ。
「……何笑ってんの、凪ちゃん」
キスとハグを求めてくる遊志の顔面を掴んでる大雅も、相当ウケるからね?
「見舞いにくれば?」
「祠稀っ」
あたしが言おうとした言葉を先に告げたのは、今戻ってきたのか、紙パックのココアを飲む祠稀だった。
祠稀は「ん」とあたしの分も買ってきてくれて、もの凄く偉そうに大雅と遊志に話し掛ける。



