僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……呼び捨てはやめない?」


ゆっくり振り向いた大雅は微笑んでいたけど、悲しいような、疲れたような笑みだった。


自分がしてきたことを悔やんだのか。それとも。


「生きることに疲れた?」


目を見張った大雅に構わず続ける。


「もう嫌? 全部全部、嫌?」

「……何言ってるの? 頭大丈夫?」


笑みを見せる大雅は相変わらずにも思える。


「遊志がいるじゃん」


ジャリッと地面をこする音に、大雅は笑みを消して、きっとあたしの後ろにいる遊志を見てる。


「あたしと彗もね、姉弟になるんだよ」

「……え?」


再びあたしに視線を移した大雅に、微笑む。


「彗とあたしも小さい頃、大雅と遊志みたいだったんだ。境遇は違うけど……少し似てるよ」


あたしたち4人は確かに幸せかもしれないけど、そう見えるのかもしれないけど、苦労がなかったわけじゃない。