「大雅はそんなこと望んでねぇだろ。現にアンタ、大雅の悪さに付き合わされたことねぇじゃん」
「……なんでそんなん…」
知ってるんですか?
遊志が潤んだ瞳で祠稀を見上げ、あたしは疑いの目で見る。
「あ、俺んち、金持ちだから」
まるで遊志の真似事みたいにふざけて言う祠稀だけど、そうだった。祠稀、金持ちの息子なんだった……。
それが今なんの関係があんのよ、って思うのも本当だけど。
「つーわけでハイ、この話しゅーりょー」
「……へ?」
「ちょっと祠稀、なんでアンタって……はぁ……まあいいか」
「え? ……え? なんなん?」
戸惑う遊志にあたしと祠稀は顔を合わせ、なんとなく、以心伝心。
「もういいよ、大雅と遊志の話はさ。分かったから」
「つうか俺は最初からどーでもいーし」
どうでもいいなら、なんであんなこと言ったんだか……。
祠稀に呆れた視線を送ると、突然遊志が立ち上がった。



