「周りに敵ばっか置いて、誰かを傷つけることで弱い自分を隠して。自分は強いって、ひとりで生きてけるって。そんなもんは、錯覚なんだよ」
祠稀はベンチの上で胡座を組み直し、自分の膝に頬杖をついた。
「アンタさ、大雅が大事なら止めてやれよ。中途半端にそばにいるくらいなら、大事だなんて言うな」
「……」
「止めないで、黙って見てたアンタのそれは、優しさでも愛でもねぇ。甘やかしてんだよ。アンタが甘やかすから、大雅もズルズルしてんだろーが」
「ちゃうわ! そんなん、そんなんじゃ……あらへん。俺は、大雅となら……」
言葉に詰まった遊志は俯いてしまって、あたしは隣にいる祠稀を見た。
祠稀は短い溜め息をつくと、俯く遊志に口を開く。
「一緒に堕ちてやろうなんて、思うんじゃねぇよ」
俯く遊志の下に広がる砂が、一滴の雫を吸い込んだ。



