「大雅は、きっと有須ちゃんのことホンマに好きやったと思うねん」
遊志の突然の発言にあたしは目を白黒させ、興味なさげに聞いていた祠稀ですら箸を止めた。
「……せやから、許してほしいとかじゃないねん。……大雅は、愛された期間が短くて、記憶すら曖昧やから……愛し方が分からへんねん」
「……」
「好きやったと思う。ホンマに。……せやけど、憎かったんも、ホンマやと思うから」
あたしたち4人が憎かった。幸せそうで、何も苦労なんてなくて、お互いが大事で仕方ないんだと、そう見えたから。
憎くて、羨ましくて、壊してしまいたかった。
そしてそのまま、堕ちていきたかった。闇にひとりで、延々と。
「大事なもん作らなければ、傷つかなくて済むもんな」
「……祠稀?」
黙って話を聞いていた祠稀は弁当箱を片付けて、地面に座る遊志を気怠そうに見下ろした。



