「……謝んなくていいよ?」
「まあそれが有須じゃん?」
「てかさ、祠稀のカーディガン湿ってて気持ち悪い」
「ああ!? 貸してやっただけ有り難いと思え!」
「……」
凪と祠稀の言い争いが始まって、彗はめんどくさそうにそれを眺めている。普段と変わらない光景に、あたしは戸惑ってしまった。
「だいたい来るのおっそいのよ!」
「ヒーローは遅れて登場するもんだろーがっ!」
「はぁ!? ビックリなんですけど何それ! 彗のほうがよっぽどヒーローだったから!」
「そうだ彗だよ! お前何者!?」
「……風呂入りたい」
「なんっでお前はそうなんだよ!」
「やっ、やめなよ! 喧嘩しちゃダメ!」
ヒートアップしそうな言い争いに慌てて止めに入ると、3人の視線を一気に浴びることになった。
ドクンと鼓動が波打って、生唾を飲み込む。
あたし……何言って……!



