僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



嫌われないように、苛立たせないように、またひとりにならないように。近過ぎず、遠過ぎず。


またひとりになった時、傷つかないように。そうやって自分を守っていた。


幸せになりたいと言って、あたしは怯えていたんだ。


孤独を知っていたから、またひとりになるのは怖くて。


みんなに頼ろうとしたって、結局はできなくて。


彗のカーディガンだって素直に受け取れなくて。


あたしにそんな権利も価値もないと思ってた。


……幸せになれないんじゃない。


幸せが目の前にあるのに、ためらって、失う怖さに怯えて。寸前で手を止めたのは他の誰でもなく、あたしだ。


「……っ……ひっく」


恐る恐る彗の背中に手を回すと、強く抱き返してくれて、また涙が溢れた。


守られた、この腕に。
助けられた、この腕に。


あたしにはまだ、そんな存在になれる未来があったと思っても、いいのかな。


あたしは……。


有須で在って、いいのかな。