「……有須」
俯いて、唇を結んで涙を流していたあたしは顔を上げる。
「……っ…嫌…だよ…」
彗の瞳がまっすぐ過ぎて苦しい。
嫌だと思うのに、反応が怖いと思うのに、どうしてあたしは力を抜いてしまうんだろう。
もしかしたら、もしかしたらって、思ってるから?
大雅先輩に見られたって平気なのに、彗には見られたくない。
あたしの傷を見て、大雅先輩みたいに目を見開くかもしれない。気味悪く、思われるかもしれない。
だけど、だけど……。
もしかしたら。
「俺のと、似てるね」
微笑んでくれるんじゃないかって、期待してたの。



