されるがままに、彗にカーディガンを着させられる。
袖にあたしの右手を通す彗。瞬きするたびに違うその姿。落ちる涙の意味が、分からない。
ありがとうと言うべきなのに、言葉が紡げない。きっと自分が置かれてる立場に、心が置いてけぼりだから。
「…っ、や! 彗っ」
突然伸びてきた彗の手に、体が跳ねる。ボタンを閉めてくれようとしてるのが分かった。だけど、嫌だ。
「大丈夫っ、ごめん……やだ……」
やだよ、彗。
「……離して……お願い…っ!」
触らないで。
離して。見ないで。
彗に掴まれた手首が震えてる。必死に自分に引き寄せてもビクともしない。
「……彗……っ」
お願い、離して。
見られたくない。
見られたくないの。
あたしの傷、汚いから。



