僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



されるがままに、彗にカーディガンを着させられる。


袖にあたしの右手を通す彗。瞬きするたびに違うその姿。落ちる涙の意味が、分からない。


ありがとうと言うべきなのに、言葉が紡げない。きっと自分が置かれてる立場に、心が置いてけぼりだから。


「…っ、や! 彗っ」


突然伸びてきた彗の手に、体が跳ねる。ボタンを閉めてくれようとしてるのが分かった。だけど、嫌だ。


「大丈夫っ、ごめん……やだ……」


やだよ、彗。


「……離して……お願い…っ!」


触らないで。
離して。見ないで。


彗に掴まれた手首が震えてる。必死に自分に引き寄せてもビクともしない。


「……彗……っ」


お願い、離して。

見られたくない。

見られたくないの。


あたしの傷、汚いから。