「お前……っ!」
大雅先輩が振り向きそう呟いた瞬間、凪を抑えつけていたふたりの男が殴り飛ばされ、急いで体を起こす。
「テメェ!」
向かっていった残りのふたりさえ、いとも簡単に地面に倒れ、残ったのは大雅先輩ただひとり。
……言葉が、出ない。
「……意外だね。驚いたよ」
「……」
ちかちかと一定の明るさを保てない電球に照らされた金色の髪の下で、たれ目がちな瞳が大雅先輩を睨んでいた。見たことのない、怒りを宿して。
「まさか人を気絶させられるほど、腕力があるとはね」
「……言ったでしょ」
ずぶ濡れの姿に、じわりと目頭が熱くなる。
「有須には手出しさせないって」
ぽろっと落ちた涙が、頬をすべった。



