僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「なんだ……泣かないの?」

「離せっつーの! 触んなクソが!」

「イテッ! このアマ!」


大雅先輩がつまらなそうにしている後ろで、凪が騒いでる声が聞こえる。


「大雅! あたしの相手しろっつーの! 有須に触んな!」


あたしに覆い被さる大雅先輩は溜め息をついただけで、振り向こうとはしない。あたしは横を向いて、早く気付いてくれることを祈った。


「ねぇ、有須」


首筋に冷たい手が触れて、そのまま下がっていく手を感じながら、横目で大雅先輩を見る。


「痛かったら……」


大雅先輩は目を見開き、下がっていた手はあたしの腹部で止まり、そこを凝視していた。


それを確認して、あたしは大雅先輩から視線を逸らす。


汚いでしょう? あたしの……。



―――ガンッ!!


「なんだ!?」


突然破壊されたドアの奥に立っていた人物に、あたしは目を疑った。