僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「influence of dark night」


チカが高くかざす傘の下には、雨が降らない。この広大に広がる空の下で、本当にちっぽけな部分でしかないけれど、雨を凌いでいる。


「それが僕等の、セカイ」


傘を差すお前だけが雨を凌げるように、その下で踏みしめてる地面のように、俺らのセカイは嘘のように狭い。


……だけど、全てだ。


フードから垣間見える黒寄りの紫の髪。笑顔のチカに、俺は微笑む。


「闇夜に」

「光あれっ!」


ゴツンと拳をぶつけ合って、チカは帰路につき、俺は学校に足を踏み入れた。


……有須を、助けるために。その気持ちは嘘じゃない。嘘なんかじゃ、ないんだ。


「……ほんとかよ」


嘲笑した俺の呟きは、激しさばかり増す雨にかき消された。




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