「influence of dark night」
チカが高くかざす傘の下には、雨が降らない。この広大に広がる空の下で、本当にちっぽけな部分でしかないけれど、雨を凌いでいる。
「それが僕等の、セカイ」
傘を差すお前だけが雨を凌げるように、その下で踏みしめてる地面のように、俺らのセカイは嘘のように狭い。
……だけど、全てだ。
フードから垣間見える黒寄りの紫の髪。笑顔のチカに、俺は微笑む。
「闇夜に」
「光あれっ!」
ゴツンと拳をぶつけ合って、チカは帰路につき、俺は学校に足を踏み入れた。
……有須を、助けるために。その気持ちは嘘じゃない。嘘なんかじゃ、ないんだ。
「……ほんとかよ」
嘲笑した俺の呟きは、激しさばかり増す雨にかき消された。
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