◆Side:彗
「げほっ、……はぁ……っ」
学校中探しても、いないなんて……。
階段の手すりに掴まって、立ち止まり呼吸を整える。体が重くて息が上がる。こんなに走ったのはいつぶりだろう。
「はぁっ……」
休む暇なんてない。
額の汗を拭い、曲げた腰を伸ばして再び走り出す。
1階まで降りた時、携帯から着信音が流れ、相手が誰だか分かっていたので走りながら電話に出た。
「……な、にっ……祠稀」
『止まれ止まれ、今どこ。とりあえず止まれ』
「……」
キュッと上靴と床が擦れる音がして、俺は立ち止まらずにゆっくり歩く。
「1……階っ……」
上がる息を無理やり整えて言うと、祠稀は小さくため息をついた。
『外だよ、外』
……外?



