僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「強がるのやめたら? そんなに煽って……後悔するよ?」


何に? あたしの体が、汚れてしまうことに? だいたい汚れるって何?


思わず鼻で笑ってしまいそうになるのを堪えながら、口の端を上げる。


「やっぱり先輩って、ヘタレなんだ?」


そう言ったと同時に肩を掴まれた。


「凪っ……やめて! 大雅先輩っ!」


無駄だよ有須。この男、プライドだけは高いみたいだから。


「黙ってなよ有須」


ほらね、笑顔を消してる。あたしが口にできない『やめて』を代わりに言ってくれて助かったよ。


ちらりと有須へ視線を移すと、涙に濡れた大きな瞳であたしを見ていた。


……大丈夫だよ有須。


ごめんね、ちょっと嫌なもん見せるけど。


少しのあいだだけ、我慢してね。


「お前ら、手足抑えてろ」


すぐ、終わるから。



.