「やめて!!」
気づけば叫んでいた。
だけどあたしの言葉なんてわずかな効力もなくて、あるのは大雅先輩の笑顔だけだった。
「何が? 何が、やめて? 心配事でもあるの?」
言葉にならない気持ちが、涙となって零れる。
止まらない、この人は。何を言っても、何も伝わらないんだ。
唇を噛んで、俯いてしまったあたしの頭上から聞こえた言葉に耳を疑った。
驚いて顔を上げると、大雅先輩も怪訝そうに凪を見つめている。
「凪……?」
凪はあたしに反応しないで、大雅先輩に掴まれている腕を見つめると、ゆっくり顔を上げてもう一度口を開いた。
あたしに向けてくれたはずの潤んだ瞳は、面影すらなかった。
凪はなんの表情もたたえず、
「ヤるならさっさとしてよ」
と、冷たい声で言った。
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