僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「やめて!!」


気づけば叫んでいた。

だけどあたしの言葉なんてわずかな効力もなくて、あるのは大雅先輩の笑顔だけだった。


「何が? 何が、やめて? 心配事でもあるの?」


言葉にならない気持ちが、涙となって零れる。


止まらない、この人は。何を言っても、何も伝わらないんだ。


唇を噛んで、俯いてしまったあたしの頭上から聞こえた言葉に耳を疑った。


驚いて顔を上げると、大雅先輩も怪訝そうに凪を見つめている。


「凪……?」


凪はあたしに反応しないで、大雅先輩に掴まれている腕を見つめると、ゆっくり顔を上げてもう一度口を開いた。


あたしに向けてくれたはずの潤んだ瞳は、面影すらなかった。


凪はなんの表情もたたえず、


「ヤるならさっさとしてよ」



と、冷たい声で言った。