僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「有須っ!!」


ドアが開く鈍い音とリアルな雨の音が聞こえたと思ったら、急に伸びてきた腕に体を抱き起こされて。優しい、温かい腕があたしの体を包み込んだ。


強く、強く、抱き締められて、あたしの瞳から涙が溢れる。


「よかった、有須……」

「な、凪……」


ボロボロと、大粒の涙が零れ落ちる。安心したからとか、本当は怖かったとか、そんなものじゃなくて。


ひとりじゃないんだと、実感したから。


凪はあたしを離して、顔を覗いてきた。その瞳は潤んでいて、余計に涙を誘う。


「感動の再会はもういいでしょ?」

「……いっ!」

「っ凪!」


やめて、やめて、お願い。


大雅先輩は凪の腕を引っ張り上げ、無理やり立たせた。


よほど強く腕を掴まれたのか凪は一瞬苦痛に顔を歪ませ、それが不安を募らせる。