僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……そう」


怖じ気づきたくなるほど冷たい瞳。負けじと睨み返すと、大雅先輩は携帯を開き、何回かボタンを押してから耳に当てる。


「さっさとヤればよかった」


意味が分からず、聞き返すより先に大雅先輩は背中を向けて「連れてこい」と一言発した。


パチンと携帯を閉じる音と、少しの間を置いて振り向いた大雅先輩は、不気味な笑顔を見せる。


「有須の前でヤることにしたよ」

「……何?」


連れてこい。そう言ったのは……。


「……っ凪は無事なの!?」


問いかけに安心できない笑顔を見せたまま、大雅先輩は携帯を口元に持っていく。


「無事だったよ? ここに来るまでは、だけどね」


よかった。そう思えないのは、『ここに来るまでは』と言われたのと、大雅先輩が最初に呟いた一言があったから。


あたしの考えを知ってか知らずか、大雅先輩は楽しそうに話し始める。