「なりません。絶対に、嫌です」
「……本気?」
本気に決まってる。大雅先輩のモノになれば、全て終わるかもしれない。もうみんなが傷つくことはないかもしれない。
だけどそんなのは、逃げだ。あたしだけが楽になれる、方法。
「……みんなが傷ついてるのに、あたしだけ無傷でいいわけない」
そんなことあっちゃいけない。もう傷つけてしまったんだ。
凪も彗も祠稀のことも。
だから、あたしは逃げない。逃げるくらいなら、後悔をする。
後悔をして、苦しんで、もう二度とこんなことないように。次はみんなを守れるように、強くなる。
「……アナタだけは許さない…っ」
この悔し涙を、あたしは決して忘れない。
例えみんなが、もう笑いかけてくれなくなったとしても。あたしの幸せは、確かにあったから。



