僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「彗くんとの電話の後から放心しちゃって。そんなにショック? 凪ちゃんのこと。それとも、探してくれてる彗くんに申し訳ないとか?」


……お喋りな人。


何も言わないあたしに大雅先輩はしゃがみ込み、眉を寄せたと思ったら、携帯をあたしの顔の前に差し出した。急な光に目を細めると、楽しそうな声。


「祠稀くん」

「……!」


眩しさに細めた目を開く。


大雅先輩が見せてきたのは、傷だらけで仰向けになる祠稀の画像だった。


目を逸らしてギュッと目を瞑ると、携帯を閉じる音と大雅先輩が立ち上がる音が聞こえた。


「かわいそうだね。みんな、有須のせいで傷つくんだよ」


ジャリ…と足を引きずる音に目を開けると、大雅先輩はあたしを見下ろしていた。


「俺のモノになる?」


頬に、冷たい涙が流れる。


……あたしが頷けば、大雅先輩のモノになれば……もう誰も、傷つかない。