「彗くんとの電話の後から放心しちゃって。そんなにショック? 凪ちゃんのこと。それとも、探してくれてる彗くんに申し訳ないとか?」
……お喋りな人。
何も言わないあたしに大雅先輩はしゃがみ込み、眉を寄せたと思ったら、携帯をあたしの顔の前に差し出した。急な光に目を細めると、楽しそうな声。
「祠稀くん」
「……!」
眩しさに細めた目を開く。
大雅先輩が見せてきたのは、傷だらけで仰向けになる祠稀の画像だった。
目を逸らしてギュッと目を瞑ると、携帯を閉じる音と大雅先輩が立ち上がる音が聞こえた。
「かわいそうだね。みんな、有須のせいで傷つくんだよ」
ジャリ…と足を引きずる音に目を開けると、大雅先輩はあたしを見下ろしていた。
「俺のモノになる?」
頬に、冷たい涙が流れる。
……あたしが頷けば、大雅先輩のモノになれば……もう誰も、傷つかない。



