◆Side:有須
叩き付けるように降る雨は、ステンレス製の屋根の部屋では轟音に変わる。
……海の中にいるみたい。
手首を後ろで縛られて横たわるあたしは、身動きひとつしない。
ほっぺ……痛い……。
暗闇に慣れた視界には、跳び箱の上に腰かけて携帯をいじる大雅先輩がいる。
……嫌だな、ここ。
あたしと大雅先輩は体育倉庫にいた。
体育館内にある体育倉庫ではなく、昔使われていたらしい外にある古びた体育倉庫。
……よく体育倉庫に連れられて、殴られたり蹴られたりしたから……嫌いなんだけどな……。
「いつまでそうしてるの?」
視線を動かすと、大雅先輩が跳び箱から降りて、横たわるあたしに向かって来ていた。



