「大丈夫なの? 実家から送ってもらったほうがよくない?」

「いーよ別に。せっかくひとり暮らし……じゃねーけど。気分一新、新しくそろえてぇじゃん?」

「……祠稀がそう言うなら、いいんじゃない?」

「そりゃそうだけど……」


それでも凪は納得がいかなそうで、眉を寄せてまだ考えている。


「んー……じゃあ明日買いに行く? あたしも色々買わなきゃいけないの増えたし」

「心配しなくても家賃払えるし。決定な」

「いやまあ、いいんだけどさ……」


はあ、と凪は溜め息をつくと、祠稀が「あ」と声を漏らした。


「そーそー。だからさ、俺今日ソファーで寝ていい?」

「ああ、そっか。いいよ」

「……俺、寝るね」

「このタイミングで!? お前どんだけマイペースだよ!」

「……布団貸してあげる」


「お前掴めねぇな」と呟いた祠稀に構わず一旦自室に入り、毛布を抱えてリビングに戻った。