グッと眉を寄せて俯き、涙を堪える。
凪の想いをいやというほど知ってる。だから俺はそばにいる。
「……」
顔を上げて、自分と凪と有須のカバンを廊下に置き走り出す。
凪が守りたいものは、俺も守る。俺が守りたいものは、凪が守ってくれる。
今は有須を助けなきゃ。
……ごめんね有須。
俺が、ちゃんと守らなかったから。
泣かせたくなかったのに、あの笑顔を守りたいと思ったのに。俺はいつになったら、大切な人を上手に大事にできるんだろう。
バカだ。
最低で最悪だ。
分かってるから、走る。もう見守るだけじゃ、ダメだから。
立ち止まったら、終わりだから。
守りたいなら、この手で。大切にしたいなら、俺の全てで。
自らの足で、自らの道を選んで、走れ。
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