ズキンと、左手首の古傷が痛む。気が、するだけ。
疼くんだ、傷が。
腕捲りをして、ミミズが這ったようにも見える無数の傷に苦笑する。
「……切れって?」
自分の無力さに、虚しくなる。そんな自分に、腹が立つ。
……そうだね。前の俺なら、切ってた。
自分の無力さを蔑んで、ごまかすように、存在を確かめるみたいに、切ってた。切りたいなって思う。
だけど今するべきことは、リスカじゃないんだ。
傷を撫でると、疼きが治まる。
「……凪」
『4人の男に囲まれても、怖くないって言うんだよ』
……間違ってない。それは、何も。
虚栄を張ってるわけでもなんでもない。本当に、怖くないんだ。
……やっぱり……まだ凪は……。



