『だからマヌケだって、言ったのにね?』
「何してるの、アンタ」
『何って……ねぇ?』
大雅が目の前にいるわけじゃないのに、拳を握る。
「……どこにいるの」
有須を連れて……違う。どこに、閉じ込めてるんだよ。
『さぁね? 探してみなよ。王子様なら見つけられるでしょ? 街中くまなく、この雨の中走ってみたら?』
そんなのどう考えたって、合理的じゃない。俺は耳を澄ましながら、話を続ける。
「凪はどこ」
凪も、関わってるだろ?
『ああ……凪ちゃんね。欲求不満の野獣にプレゼントしたよ? 今頃お楽しみの最中じゃないかなぁ』
「……っ!」
『おかしいんだよ、凪ちゃん。4人の男に囲まれても、怖くないって言うんだよ?』
殺して、やろうか。
『やめて! そんな…っ』
真っ白になりかけた頭に、有須の泣き声が響いた。



