僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



――バシャンッ!


「いっ……て…」


大雅の胸ぐらを掴み、そのまま地面に押し倒した。何も言わないあたしを大雅は見上げて、肘を支えに上半身を軽く起こす。


「あーあ……びしょ濡れになっちゃったよ」


馬乗りになる無表情のあたしに、大雅は口の端を上げた。


「どうしたの? ……野外プレイでもしたいの?」


ああ……バカが、ここにもひとり。


「遊志に怒られちゃうよ、俺」


鼻につく笑顔を見せる大雅に、あたしはやっと言葉を紡ぐ。


「つまんない人」


ピクリと眉を動かした大雅を真っ直ぐ見下ろし、ネクタイを引っ張って顔を近付けた。


「かっこ悪いね、アンタ」


自分のことを好きな女を利用して、有須をいじめて脅すなんて。


「怒鳴る気も失せる」


大雅は目を見開いてすぐ、俯いて吹き出した。


「くくっ……はははっ!」


怪訝な顔を向ければ大雅は口元に手の甲を当て、あたしを見上げた。