――バシャンッ!
「いっ……て…」
大雅の胸ぐらを掴み、そのまま地面に押し倒した。何も言わないあたしを大雅は見上げて、肘を支えに上半身を軽く起こす。
「あーあ……びしょ濡れになっちゃったよ」
馬乗りになる無表情のあたしに、大雅は口の端を上げた。
「どうしたの? ……野外プレイでもしたいの?」
ああ……バカが、ここにもひとり。
「遊志に怒られちゃうよ、俺」
鼻につく笑顔を見せる大雅に、あたしはやっと言葉を紡ぐ。
「つまんない人」
ピクリと眉を動かした大雅を真っ直ぐ見下ろし、ネクタイを引っ張って顔を近付けた。
「かっこ悪いね、アンタ」
自分のことを好きな女を利用して、有須をいじめて脅すなんて。
「怒鳴る気も失せる」
大雅は目を見開いてすぐ、俯いて吹き出した。
「くくっ……はははっ!」
怪訝な顔を向ければ大雅は口元に手の甲を当て、あたしを見上げた。



