「やーもう最悪! びしょ濡れーっ」
「コンビニで傘買おっ!」
ザァァァァ…と激しく降り出した雨。
校舎を見上げると、我先にと校舎を駆け抜ける生徒たちは窓辺から見えなくなった。
地面に打ち付けられる豪雨は跳ねて、ハイソックスまで濡らす。
「凪ちゃん、風邪引いちゃうよ?」
分厚い雲の真下にいるあたしは校舎から視線を落とし、ゆっくり振り返る。
「あ、ストレートな髪も似合うね」
その笑顔が嘘臭いと今さら感じるあたしは、救いようのないバカだ。
「どうしたの? 呼び出したと思ったら、傘も差さないで雨に濡れてるなんて。こっちおいでよ」
裏庭の真ん中で雨に打たれるあたしは、校舎に続く簡素な通路の屋根の下で微笑む、卑劣な人間を睨んだ。
「……参ったな。濡れたくないんだけどね」
そう言って、パシャンッと雨空の下に踏み込んだ柴 大雅。
あたしはアンタを、絶対許さない。



