僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「ね、どうかした……?」


情けない足取りで近付くと、香織ちゃんと朝希ちゃんは驚いたように顔を見合わせる。


うっ……! やっぱ勘違いだった!


「ごめん! なんか用かなって気がしただけでっ! 勘違いならいいんだ、うんっ」


恥ずかしくなり立ち去ろうとした瞬間、同時にふたりの手で腕を掴まれた。


「えと、勘違いじゃ……」


なかった? そう聞くより先に、あたしは小刻みに震える手に目を奪われる。ふたりとも俯いたままだ。


「……どうかしたの?」


ザワザワと、嵐の前触れのように心がざわつき始める。それに掻き消されそうなほど小さな声に、耳を疑った。


「誰を……?」


香織ちゃんはゆっくり顔を上げて、涙が浮かぶ瞳にあたしを捉えた。


「……有須を……助けて…っ」


曇っていた空が、いつの間にか重苦しさを含み始めた夕刻。


まるであたしの頭に雷が落ちたと思うほど、


空が、激しく鳴いた。