僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……さっきから、気にしてる」

「え? 何が?」


思考回路を必死に切り替えていると、彗はフゥ…と溜め息をついて、歩いていた方向の先を指差す。


「有須の部活仲間が、俺らのこと」

「……んー?」


見ると、廊下の窓際でふたりの女子がオロオロしながらあたしを見ていた。話しかけようか、やめようか、そんな雰囲気。


……確かに、あれはいつだったか有須に紹介されたバレー部の子だ。


話したことはないし、実際有須からは名前を聞いただけで、接点もない。


「俺、先に教室行くね」

「は―――!?」

あたしを置いてくの!? てかあたしじゃなくて、彗に告白とかじゃないの!?


「また後で」

「ちょっ!」


早々と去って行った彗の長い脚を若干恨みながら、あたしはふたりの女子を見る。


えーと……確か黒いショートカットが香織ちゃんで、茶髪のポニーテールが……朝希ちゃん、だったっけ?