僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



有須が、過食症だった。

治したって言ってた。治したのにって、泣いてたの。


我慢する、今は。そう、約束した。祠稀に落ち着けって、有須の気持ちを無駄にするなって、そう言われたけど。


「無理っぽい……」

「……何が?」


あたしの顔を覗いてくる彗には、言えない。


今は言えない。きっと彗は、あたしと同じ気持ちになるから。


有須は頑張ったんだと思う。頑張って、治したんだと思うから。だらこそ、大雅先輩を許せない。


彗はこのことを知ったら悲しむと思う。あたしたちの世界には、まだおじさんたちのような人間がいるんだって。


だけどきっと、彗は怒りもする。怒って、何も怖くないって、大雅先輩に立ち向かうと思う。


だけどあたしは、それだけはさせたくない。


これはあたしの、身勝手なわがまま。