有須が、過食症だった。
治したって言ってた。治したのにって、泣いてたの。
我慢する、今は。そう、約束した。祠稀に落ち着けって、有須の気持ちを無駄にするなって、そう言われたけど。
「無理っぽい……」
「……何が?」
あたしの顔を覗いてくる彗には、言えない。
今は言えない。きっと彗は、あたしと同じ気持ちになるから。
有須は頑張ったんだと思う。頑張って、治したんだと思うから。だらこそ、大雅先輩を許せない。
彗はこのことを知ったら悲しむと思う。あたしたちの世界には、まだおじさんたちのような人間がいるんだって。
だけどきっと、彗は怒りもする。怒って、何も怖くないって、大雅先輩に立ち向かうと思う。
だけどあたしは、それだけはさせたくない。
これはあたしの、身勝手なわがまま。



