僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「あたし……ちゃんと言う」


空中に揺れ溶ける紫煙を見つめながら、ぽつりと呟く。煙草が似合う祠稀はあたしを見つめて、眉をひそめた。


「大雅先輩に、言うね。大雅先輩のモノには、なれないって」


涙を拭いながら言うあたしに、祠稀は鼻で笑う。バカにしたような感じではなく、頼もしいって感じだ。


「いいね。強いな、有須は」

「……そんなことないよ」


祠稀や凪がいてくれると思うから。彗を、守りたいと思うから。大雅先輩に、従いたくないだけ。


「まだ、迷惑かけると思うけど……頑張るから……」

「だぁーから、別に迷惑じゃねぇっつーの」

「ごっ、ごめん……!」


呆れ顔の祠稀に焦ると、笑われてしまった。


最近気付いたけど……あたし、からかわれてる……?


ちらりと見れば祠稀は微笑んで立ち上がった。大きな手で、あたしの頭をひと撫でしてから。