「自分のこと、嫌うなよ」
自分に嫌気が差した時、祠稀は言った。抑揚のない、真っ直ぐな言葉で。
「……嫌うよ……」
あたしは受け入れることができずに、俯いてしまった。
あたしは、どうしようもないほど醜い。汚いんだよ。
「……今のあたしは、偽物だもん」
綺麗になれば、幸せになれると思った。なれたと、思った。
それなのに……。
「あたしがこうなったから……みんなを巻き込んだんだよ……っ」
手に入れたはずの幸せは幻で、やっぱりあたしは独りで生きてく運命なんだと、哀しいほどに思った。
「知るかアホ」
嗚咽が、寸でのところで飲み込まれる。
「……な……なんで!?」
どうしてアホなの!?
驚いたと言うより焦って、あたしは煙草に火をつける祠稀を見上げた。



