息も絶え絶えに話し続けたあたしの過去を、祠稀は黙って聞いていた。
時折、吐き出す息とジッポの音が聞こえたけど、しっかりと聞いてくれているように感じた。
それが嬉しいのか不安なのかよく分からないまま、あたしは話し続ける。
「……それから……何も食べてない時でも、吐くようになったの」
何も入ってない胃袋の痙攣が、危険信号だとは気付かず。ただ不快に思っていた。胃にまだ何か残ってるんじゃないかって。
「何もあるはずないのに、必死に指を口に突っ込んで……吐いてた」
胃液しか出ないのに、それでも人差し指と中指を使った。
無理やり吐き気を起こさせる苦しさに、歯を食いしばってしまう。人差し指と中指の第二関節は歯に傷付けられて、いつも血が滲んで。そのうち、吐きダコと呼ばれるものができた。
「……吐きダコができ始めた時、初めて自分のしてきたことに気付いたの」
何を、してるんだろうって。
胃液のせいで喉は炎症を起こして、顔が腫れたこともあった。
あたしは、どうなりたいんだろうって考えた。
「……痩せて、綺麗になりたかった。そうなれば……いじめられなくて済むと思った……ふつうの……女の子になれるって……っ」
涙が滲んで、歯を食いしばった。
悔しいのか、悲しいのか分からないけど。
ただひとつ、あたしは知ってるの。
言葉だけでも、人を殺せる。



