僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



“神経性過食症”


これがあたしの、秘密。



「……中3の春に……神経性過食症だって、診断されたの」


両手でマグカップを強く包むと、水面が揺れた。あたしは祠稀を見ず、水面に視線を落としたまま話し出す。


「あたし、中学の頃ね……太ってたの。155センチで、60キロ以上あったんだ」


気にしたことはなかった。世間一般的には「ぽっちゃり」な範囲かな、くらいの気持ちだった。


「もともと食べることが好きで……お洒落にも、メイクにも、興味はなくて……」


中学生になってすぐ、周りがお洒落や恋に磨きがかかっていく中で、あたしはひとり置いてきぼりだった。


「……引っ込み思案で、太ってて、化粧っけもなくて……あたしね……いじめられてたの。中1の夏休み明けから卒業するまで、ずっと」


最初の頃は、なんでいじめられるのか分からなかった。


どうして? 友達じゃなかったの?って、そればっかりだった。


なんであたしが……。そう、思ってたの。