僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「なあ、お前ら高校どこ?」


夕飯をしっかり完食して、テレビの前でくつろいでいると不意に祠稀が聞いてきた。テレビ画面から目を離さずにいる俺の代わりに凪が答える。


「あたしも彗もS高だよ」

「は!? 俺もなんだけど!」


その瞬間、思わずテレビから凪に視線を移す。凪も俺を見ていた。


途端に込み上げる、おかしさ。


「嘘だー!?」と声を出して笑う凪と、信じられなくて笑う俺に興奮する祠稀。


「やばくね!? 凄くね!?」

「超凄いんだけど!」

「凪が凄いよね」


まさか祠稀まで同じ高校だなんて、誰が予想できただろう。


ていうか凪、先に聞いとくべきだったんじゃ……。


なんて思うけど、凪のことだから一緒に住んでから聞いたほうが楽しいとでも思ったんだろうな。


クスクス笑う俺に、祠稀が思い出したように声を張る。