僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「水……飲むか?」


冷えたペットボトルを差し出すと、小さく首を振る有須に眉を下げる。


「……起きてたの?」


タオルに顔を埋めて俯く有須の声はくぐもっていて、震えていた。


「……起きたんだよ、さっき」

「……っ、あたし……っ」


泣くな。
泣かなくていい。


「大丈夫だから、来い。……ほら」


タオルで顔を覆う有須の右手を引いて、リビングに戻る。


ダイニングテーブルの椅子に座らせると、有須はタオルで顔を覆ったまま、薄暗いリビングに嗚咽を響かせた。


「……っ……く……」

「水ぐらい飲め、有須。……大丈夫だから」


そっとタオルに手をかけると、有須は怖々と涙で潤んだ瞳を覗かせた。