荒々しく冷蔵庫を閉め、大股でテーブルに置いてあったマグカップを掴む。
キッチンの明かりに照らされたマグカップに描かれている絵は、赤ではなく、ピンクで描かれていた。
眉を寄せて少し俯くと、テーブルには小さな長方形の紙が2枚。
……いや、紙じゃない。絆創膏を2枚、使った跡だ。
俺はすぐに嫌な考えが浮かんで、急いでリビングから廊下に出る。
真っ暗な廊下に、僅かな光。それから水の流れる音。有須の、苦しそうな声。
俺はどうすることもできず、今はどうすることもできず。
リビングに戻ってペットボトルの水と、洗面所からタオルを取って、トイレの真向かいの壁に寄りかかった。



