僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



荒々しく冷蔵庫を閉め、大股でテーブルに置いてあったマグカップを掴む。


キッチンの明かりに照らされたマグカップに描かれている絵は、赤ではなく、ピンクで描かれていた。


眉を寄せて少し俯くと、テーブルには小さな長方形の紙が2枚。


……いや、紙じゃない。絆創膏を2枚、使った跡だ。


俺はすぐに嫌な考えが浮かんで、急いでリビングから廊下に出る。


真っ暗な廊下に、僅かな光。それから水の流れる音。有須の、苦しそうな声。


俺はどうすることもできず、今はどうすることもできず。


リビングに戻ってペットボトルの水と、洗面所からタオルを取って、トイレの真向かいの壁に寄りかかった。