◆Side:祠稀
「……ん…」
眠りから目を覚ますと室内はまだ薄暗く、湿った空気と煙草の匂いに僅かに眉を寄せた。
……何時だ?
軋む体を起き上がらせ、手探りで携帯を探しサイドボタンを押す。
「……げ」
背面ディスプレイに表示された時間は、早朝の5時。
3時間くらいしか寝てねぇじゃん。
そう思ったのと同時に身震いをして、半袖では少し寒かったと後悔した。
ベッドから降りて間接照明を灯すと、部屋は暖色の光に照らされる。そのままベランダに続く窓を開け、お香を焚いた。
めんどくせぇから、起きてっかな……。
部屋に蓮の香りが漂ってきた頃、煙草に火をつけてベッドへ腰掛ける。
――パタン。
紫煙を吐き出した時、不意にリビングからドアが閉まる音が聞こえた。
……誰か起きてんのか?



