僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「ふぅん? 有須や祠稀くんがいれば、何もいらないってことかな」


口の端を上げる大雅の瞳は厭に気味悪く、妖しく光を纏う。


「……有須には手出しさせないから」

「やだなぁ……彗くんは、凪ちゃんがいればいいんだよね?」


有須にばかり気をつけてても意味がないよ。そう、言ってる気がする。そう言ってるんだ、この人は。


「ははっ! 凄い嫌われてるみたいだね、俺。嫌悪感丸出し。……素直だね」

「……」

「分かるよ? 俺もね、君たちが嫌いなんだ。お互いが大事ですって顔して……気色悪い。壊したくなる」


大雅は下にいる有須を見て呟く。その視線にならえば、有須が不安げな顔でこちらを見上げていた。


笑顔で手を振る大雅に有須はいっそう顔を曇らせ、俺は眉を寄せる。


……有須は脅されていたんだ。俺の秘密をバラすと言われて、凪と祠稀も傷付けると言われて。


……泣いたんだろうな。優しいから。誰よりも、優しいから。


純粋で、無垢で、綺麗な心は、どれだけの痛みに傷付いたのか分からない。それは気付けなかった、俺のせい。