「……」
「何? 食っていいんだろ?」
「当たり前じゃん。……え? 何?」
なんだか空気がこそばゆいのが、それぞれを見て感じ取れる。にやけてしまいそうになるくらい変で、懐かしい空気に。
「いいから早く! 冷める! いただきますっ」
恥ずかしがった凪がパンッと手を叩くと、俺と祠稀は少し目を合わせ、笑いながら口を開いた。
「んじゃ遠慮なく。いただきまーす」
「ます」
3人そろって食べる、初めての夕食。
やっぱり祠稀は話しやすくて、苦手だとも嫌いだとも思わなかった。
凪が面接をせずに何度かメールしただけで決めたと聞いて、本当は心配だったんだけど……大丈夫そう。
凪は勘がいいし、人を見る目があるのはよく知ってる。
それがどんな人によって育まれたものなのかも。



