僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「別に? 何もしてないよ」

「……何かは言ったでしょ」

「さっすが学年主席だけあるね。ただちょっと、提案をしただけだよ」


提案……?


「……っ!!」


突然、もの凄い力で左手を掴まれた。祠稀にもらったリストバンドをしてる、俺の左手首――…。


「全校生徒にバラされるか、俺のモノになるか……どっちがいい?ってね」

「……!」


知ってる、俺の秘密。
知ってるんだ、この人。


「……脅したんでしょ、それ……」


返事の代わりに気味悪い笑顔が返ってきた。


俺を使って有須を……。最悪だ。この人も……俺も。


「おっと」


掴まれた手首を払い除け、憎い卑劣な人間を睨む。


「……バラせばいいよ。気が済むまで言いふらせばいい」


どんな目で見られても構わない。それで大事な人を守れるなら。