僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「凪っ、お風呂入れるよ! 着替え全部置いといたからっ」

「濡れたままベランダ……バカ?」

「バカじゃない! ありがとう有須っ。今入るー」

「あー腹減った。凪はいいから早く食うべ」

「うーわ、祠稀ウザ! ロン毛ウザ!」

「なんだとコラ! 待てテメェッ」

「ふんっ! ハゲろ!」


リビングのドアを閉め、風呂場に向かう。脱衣所に入ると、3人の騒ぐ声がリビングから漏れていた。



……守るよ。


大雅先輩から傷付けられないように、有須を。


卑劣な人間の存在にまた悲しまないように、彗を。


ふたりを守ろうと危ない目に遭わないように、祠稀を。


守ってみせる……必ず。


大雅先輩が何をしようとしてるのかは分からないけど、この幸せな場所を、壊させたりなんかさせない。


「……絶対、させない」


洗面台の鏡に写る、ずぶ濡れの自分を見ながら呟いた。



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