僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「大雅先輩に、何か言われたよね」

「……!」


目を見開いた有須は、青ざめる顔を隠すように俯く。


「……何かって、何?」

「なんでもないのっ!」


声を張り上げて彗の質問を遮る有須に、あたしはそれでも問いかける。


「有須……なんでもなくないよ」

「ほ、本当になんでもないの! ただ、ちょっと……大雅先輩と揉めちゃって……みんなのこと……みんなに、ヤキモチ?みたいな感じで」


ははっ、と乾いた笑いをする有須に詰め寄ろうとしたあたしの肩が、後ろに引かれる。


「……彗…?」


彗はもう喋らないでと言うようにあたしを見てから、有須に視線を移した。


「……本当になんでもないの?」

「うん、ちょっと喧嘩しちゃって……ごめんね凪。遊志先輩に聞いて、心配してくれたんだよね?」


……喧嘩じゃないでしょ? だって、遊志は……。


「……分かった。また揉めたら言ってね。風呂お願い。夕飯は俺がやるから」

「うん、次は……言う。ごめんね! お風呂入れてくるねっ」


有須が風呂場に向かうと、彗はあたしの頬を抓ってからキッチンへ向かった。