僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「なんで黙ってたのよ!!」

「……好きやから……大雅から守りたかっただけやねん」

「……っ」


ギュッと唇を噛んでカバンを持つと、遊志に手首を掴まれる。


「凪が気付いたって分かったら、大雅は何するか分からへん! 危ないねん!」

「知らないフリしろって? あたしだけ安全でいろって言うの? ふざけんな!」

「アカンて……っ凪!!」


遊志の手を払い除けて、カラオケ店を飛び出した。


遊志を責めるなんて、きっと間違ってる。だけど遊志の優しさに、感謝なんてできなかった。


本当に好かれていたことに、嬉しさを感じる暇すらない。


まさか大雅先輩が……信じられない。危ない人だなんて実感が湧かない。


有須はもう、脅されてた?

祠稀は何かに、気付いてた?

彗は、何もされてない?


不安で、不安で、泣きたくなる。



雨が降る空の下を、あたしは無我夢中で走った。