「俺、知ってるよ? 彗くんの秘密」
「……!」
目を見開いたあたしを見て、大雅先輩は流れるように微笑みをたたえる。
「たまたまね。見えちゃったんだ」
言葉が出ないあたしの頬に、大きな手が触れる。
「学校中に言い触らしたら……どうなるんだろうね」
「っやめてください!」
「……そうだね、やめたほうがいい。彗くん、意外にナイーブそうだしね」
怖い、怖い……。
「凪ちゃんも……そのうち志帆に狙われるだろうね?」
頬に触れる大雅先輩の手が冷たい。触れた先から、凍ってしまいそう。
「知ってる? 祠稀くん、いろんな先輩に恨まれてること」
言いたいことが、手に取るように分かる。断ったら、3人を傷付けると言われてるんだ……。
嫌だ……それだけは……嫌だよ。



