僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「俺、知ってるよ? 彗くんの秘密」

「……!」


目を見開いたあたしを見て、大雅先輩は流れるように微笑みをたたえる。


「たまたまね。見えちゃったんだ」


言葉が出ないあたしの頬に、大きな手が触れる。


「学校中に言い触らしたら……どうなるんだろうね」

「っやめてください!」

「……そうだね、やめたほうがいい。彗くん、意外にナイーブそうだしね」


怖い、怖い……。


「凪ちゃんも……そのうち志帆に狙われるだろうね?」


頬に触れる大雅先輩の手が冷たい。触れた先から、凍ってしまいそう。


「知ってる? 祠稀くん、いろんな先輩に恨まれてること」


言いたいことが、手に取るように分かる。断ったら、3人を傷付けると言われてるんだ……。


嫌だ……それだけは……嫌だよ。